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市役所 激務部署ランキング 元人事担当が各部署の特徴とブラックな実態も解説します

皆さん、様々な市役所激務部署ランキングが発表されていますが、その記事は実態まで解説されていますか?

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当ブログでは元市役所人事異動担当が執筆しています。異動担当は各部署の激務な部分、パワハラ系上司の有無、天国部署などを把握した上で、配置作業を行っています。各所属のことを誰よりも把握している異動担当だからこその、詳細な部分の解説とともに格付けを行いました。ぜひご参考に。

当記事では、あくまで市役所における激務の部署をランキング形式にしています。出世コース部署や新入職員が配属される部署については別途記事でランキングをまとめますので、そちらをご確認ください。

激務やブラック企業の定義は見る方によって異なるかと思います。当ブログのブラック部署の定義は休暇取得が困難、残業が多い、日中は休む暇もないほど忙しい(業務量が異常、電話が鳴り続ける等)と定義してランキング付けしています。

目次

市役所ブラック部署ランキング

他のブログ運営者さんと当ブログの違いは、内部の実態まで細かい業務、理由まで記載しています配属される課の中でも係やチームによって行う業務も違えば、激務度も全く異なります。そんな課の中の実態まで把握している人事異動担当だからこそ知っている情報をまとめています。

自治体によって係の所掌が異なりますが、業務内容別でランキング分けしています

SS級(年間残業1,000時間超、精神的に病む人続出部署)

市民税課

役所において圧倒的不人気の部署となります。

忙しすぎるあまり、職場の雰囲気も最悪、休む人続出で、さらに業務量が増えるなんてこともざらです。

市県民税の納付時期「6月、8月、10月、1月」は特に業務が集中し、月間100時間超の残業は当たり前、疲弊している状態で市民からのクレーム応対、職場内の人間関係のいざこざ等、ストレスはMAXの状態になることが想定されます。

配属された場合は、いち早く抜け出せるように努力しましょう。

市税係

上記解説のメインの仕事を担当する係。およそ9割の人が市県民税に関する業務を行うことになる。

業務量は膨大な上、市県民税の誤徴収なんて起こしてしまったら、即不祥事としてニュースとなります。そんな細かく正確な作業が求められる中、残業時間は年間で1,000時間超になることはざら。心身共に疲弊し、私療休暇に入る職員はどの自治体でも多数いるような部署となります。

会計年度任用職員(パートタイムやアルバイト)の方も多数働いていますが、3日で飛ぶ方が続出する部署です。

課の中でも1割程度の方はシステム関係の担当をすることになります。そうなれば、同じ課の職員でもSS級からは外れることになります。システム人材は役所内で重宝されますからね!!

保育入所課

当部署は自治体によって激務度が異なるかと思います。子育て世帯に人気の自治体であれば、保育入所待ち、いわゆる待機児童問題に関する対応をする部署となることから、日中は入所に関するクレーム対応を行い、窓口時間が終了した時間(定時終了後)から自分の仕事が始まるといった部署になります。

入所係

こちらの係が年間残業1,000時間超が見込まれます。私の元上司がこちらの係で数年働いていたのですが、どうやら深夜帯に入ってから、周りの職員はエナジードリンクを飲み始め、気合を入れて仕事を行うような環境にあったらしいです。深夜に入ってからギアを入れるとは恐ろしい部署ですよね。

超過勤務手当がもちろん支給され、給料は毎月ボーナス並みに入ると言っていましたが、年収ベースで考えると、大手民間企業と比較した際に圧倒的に収入は少なくなります。公務員として働く上ではコスパは見合っていません。

課の中でも管理係や保育料の減免等に関する支給認定係はSS級から外れます。

人事課

全国の自治体共通して激務の部署になるかと思います。ただ、一つ補足を加えるならば、人事課の職員全員が忙しいという訳ではありません。係によってやっている業務も全く違えば忙しさが全く違いますので、実態を把握した上で、人事労務管理の仕事に興味のある方がいらっしゃれば希望するといいかと思います。

自治体によって職員課や研修課など分かれていますが、当ブログでは同一課としてとりあげます。

人事係

組織の人事を司る係です。自治体によって人事係の中でも担当分けされているケースがありますが、ここでは、下記の担当になった場合、SS級として心構えいただけるといいかと思います(筆者は採用・異動の担当をしていました)。

  • 新入職員採用担当
  • 人事異動担当
  • 会計年度任用職員担当

会計年度任用職員制度については総務省より制度の解説が出ていますので、気になる方はご参照ください。

職員数が少ない小規模の自治体においては忙しさはわかりませんが、ここでは都道府県、指定都市、中核市以上の地方公共団体を前提に解説します。

地方公共団体の区分についても総務省より出典がありますので、気になる自治体があるか確認してください。

採用担当

他のブログでは採用の時期が終われば、人事課はまったりしている等の記載があったりしますが、その方は実際に人事の仕事をされた方でしょうか?そんなに甘くありません。

民間企業の採用担当と公務員(地方公務員)の採用担当では担当する業務ややり方が異なります。

地方公務員の職種は様々です。大きく分けると下記の職種があります。

  • 事務職(大卒、高卒、社会人経験者、障害者、有資格者(法務、福祉、司書等)
  • 技術職(土木、建築、機械、電気、化学、農学等)
  • 学芸員(近世史、考古学等)
  • 保育職(保育士、幼稚園教諭、経験者)
  • 医療職(保健師、医師、獣医師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等)

事務職だけの採用を行うと思っていませんか?配属されて驚愕する方もいますが、上記の職種すべてを担当します。これが民間企業との違いです。専門外の事務職がどうやって技術や保育、医療の担当をするのか?もちろん、勉強しないといけません。面接試験や実技試験ではその分野の局長、部長、課長に入ってもらうための調整をすべて担当しなければいけません。年度によって募集をしない職種もありますが、これを見るだけで忙しそう…となりませんか?

採用だけやってればいいという世界ではありません。当然、合同企業説明会や各大学への説明会の参加、合格発表後の内定者フォロー、内定者説明会、健康診断の調整や採用に必要な手続き書類の準備、年度末の異動作業、新入職員の辞令交付や配属決定…これは代表的なものを載せているだけで、細かい仕事はごまんとあります。

見てわかる通り、採用が終わる時期なんてありません。年中採用試験をやっていますし、合格基準に満たない場合があれば再募集をやったりします。民間と違い、各試験において受験者から申し出があれば合理的配慮の対応もしなければいけません。試験は休日に行うことが多く、年間残業は1,000時間を超えます。

人事の中でも最も華やかな仕事となります。業務量や残業が多くなりますが、やりがいはピカイチです。

異動担当

大げさにいうと、職員の人生を変える仕事です。役所内での異動は転職と同様の考えがあるからです。それくらい重責かつ、本人の希望や所属の希望、状況等を把握した上で緻密に異動案を検討していく仕事です。組織が大きくなればなるほど、異動数が多くなるため、年明けからは月間残業200時間を超えることもあります。過労死ラインの仕事です。

人事課の異動担当を希望されている方は覚悟を持って希望頂ければと思います。担当となった暁には、組織のすべてを把握することができます。

異動検討にあたっては下記に注意しながらパズルゲームのように何度も何度も当てはめを繰り返します。

  • 在課年数(3年以上から検討対象)
  • ジョブローテーション(窓口→庶務→企画等)
  • 自己申告の確認(本人の希望)
  • 対象者の適性や能力
  • 局外への異動
  • 親族の確認(配偶者、親子、親戚等)
  • 所属における男女比バランス…

挙げだすときりがありませんが、代表的なところでいうとこの辺りです。でかい組織になると、異動数が数千単位となってきます。繰り返しになりますが、異動担当と言うと、すごいね~等とよく言われましたが、そんな甘い仕事をやっているわけではありません。

異動だけを考えればいいという世界でもありません。異動以外にも退職関係や定年延長、定年前早期退職、外郭団体への派遣や国、民間への出向等人事関係の仕事は多々あるため、この辺りは異動担当が行うことになるかと思います。

会計年度任用職員担当

民間企業でいうパートタイム、アルバイトの方の採用や退職等の担当を行います。年齢層が高めの方が中心となるため、色々と大変です。想像がある程度つくかなと思いますので、細かい解説は控えようと思いますが、担当となった際には、頑張って抜け出せるように働きかけを行いましょう。

正規職員と異なり、とにかく退職の数が膨大となります。せっかく雇ったのに初日から出勤しないなんてこともざらです。よく現場から今日から来るはずの~さん、来ていません。連絡もつきません…と人事に電話がかかってくることがあります。退職の数だけ、雇用保険等の手続きが発生します。やってられません。

給与係

毎月の給与計算、賞与計算、年末調整等を数少ない職員で対応します。賞与前や年末調整等の繁忙月は100時間の残業を超えてきます。定額減税など国からの施策が発表されると、給与係の仕事が倍増します。職員採用時における経験年数加算や退職における割愛採用、退職金計算等、専門的な業務を1から覚える必要があり、配属された際には数年間はなんとか耐えましょう。数字に弱い方は、毎日が辛くなる可能性が出てきます。人間毎日やっていれば、ある程度慣れますが、その慣れるまでの期間が相当な苦労を要することになります

人事課の中でも下記の係になった場合には残業や業務多忙の心配はありません。同じ課でも全く違いますし、人事課の職員ではありますが、出世コースに乗っているわけではありません。

  • 服務係(休暇等を担当)
  • 制度係(職務規定や人事制度を担当)
  • 共済・福利厚生係(共済組合や健康保険等を担当)
  • 研修係(職員の研修を担当)

財政課

現役の職員や元公務員が揃えてあげる部署が財政課です。財政課の中でも担当がいくつか分かれているため下記の担当になった際には、SS級の激務が待っています。もちろん、役所内の出世コースとなりますので、数年踏ん張れば、役所の花形部署への異動ルートが待っています。組織のカネの動きや考えを把握している職員はどの部署に異動しても重宝されるためです。

予算係

役所は財政が各局の予算ヒアリングを行い、そのヒアリングを基に各局に予算を配残し、その予算執行がなされて組織として成り立っています。組織のカネの配残する担当は各局から提出された予算案に細かく目を通し、その予算が本当に必要なのか精査し、分配を決定します。担当は局毎に分かれていますが、数多くの課から成り立つ局から提出された予算案は膨大な数となります。各所属の予算作成は夏頃から開始され、秋頃から予算ヒアリング等がはじまるため、夏以降、財政担当は月間100時間の残業が超えてくることになります

資金運用や起債関係、調査等の業務を行う係は課の中では業務負担は大きくありません。

SS級部署 まとめ

役所の就職を目指している方、現在勤務している方は、同じ役所でも部署によって業務も激務さも全く違うので、同じ組織として考えるのはやめた方がいいと思います。内部には色んな経歴の方や様々な能力を持った方がいます。職種も様々あります。SS級の部署に配属になったから出世できるわけでもありません。大事なのは、自分にとってやりがいを持って長く働くことができることだと思います

役所の就職を目指している方

役所で働く以上、こういったSS級部署に配属される可能性があります。されない可能性もあります。私からのメッセージとしては、あなたはどんなやりがいを持ってどんな仕事をしたいかを深く考えてみてください。役所でしか経験できない仕事はたくさんあります。民間と違い、国のため、県のため、町のため、国民や市民のために働くのが公務員です。やりたい仕事もあれば、やりたくない仕事もあるのは当然です。そういう人のために、役所では自分の希望を提出できる自己申告制度というのがどこの自治体でもあります(※必ず希望が通るわけではありません)。ぜひ、このような制度を活用して自分らしく働ける職場が見つかるといいですね!

自分の希望した部署の配属を叶える方法を別途関連記事でまとめようと思います。今しばらくお待ちください(※私の役所における経歴は全て自分で希望した部署、係(担当)まですべて希望通りになっています。秘訣がありますので、読者様限定で特別に教えます。👇

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現在勤務していてSS級で働いている方

本当に大変な状況だと思います。ご家族がいらっしゃる方は、家族との時間を削って、毎日仕事をされていることと思います。私も過労死ラインで働いていたこともあり、かなり極限な状態になっていた時期もありました。疲弊していると判断力も鈍ってしまうため、適切な方にご相談されるのがいいかと思います。まずは職場での自己申告を利用し、異動希望を出すことから始め、お身体が不調な場合は休暇を取得しましょう。医師による診断、診断書を提出すれば私療扱いとなり休職が可能となります。復帰を目指してみましょう。役所での復帰が難しい場合は、転職も視野にいれてみましょう。今の時代、一つの職場で定年まで勤めあげるよりも、転職をする時代になっています。昔とは考え方が違いますので、転職等、キャリアのご相談についても上記Lineよりご連絡いただければと思います。別途有料にはなりますが、キャリア面談等実施させていただきます。

S級(年間残業700~1,000時間、きつい部署)

S級部署については別途記事にまとめます。出来次第こちらの項目に関連記事として掲載予定です。しばらくおまちくださいm( _ _)m

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この記事を書いた人

大学卒業後、大手金融機関で法人営業として勤務
市役所に転職し、中央省庁への出向を経験
市役所人事担当として従事し、その後独立
現在はキャリアコンサルタントとして企業研修等を実施
専門は意識改革、組織改革、個別のキャリアデザイン相談

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