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中央省庁への出向は派遣形態により職場での扱いが全然違う

出向が決まった皆さん、おめでとうございます。

転居を伴う人事異動の場合、内示が早いのも特徴的です。

早い方では年明け早々に省庁への異動の内示が出るかと思います。省庁への異動の内示が出た際に、派遣形態によって、内部での扱いや、衝撃的ですが、給料も全然違ってきますので、実態をみなさまにお届けします。

目次

派遣形態の種類

派遣形態は3種類あります。皆さんの異動が決まった際にどれに当てはまるか確かめてみるといいと思います。

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私は割愛派遣で省庁に出向してきました。内部では出向者が多く、様々な形態で来られている方がいましたので、たくさん話を聞いてきましたよ!

割愛派遣

出向元の身分を退職し、出向先の採用となり、国家公務員として勤務

派遣(人事交流)

出向元に身分を残したまま、派遣先で勤務

研修派遣

出向元に身分を残したまま、研修生として勤務

ここでは、上記の違いを見て、派遣の種類がいくつかある程度でいいかと思いますし、この派遣形態については自分の希望を出すことはできません。受け入れ側と職員を派遣する側との調整により決定されます。

給料をどっちが持つとか、手当、福利厚生をどっちが負担する、勤務条件等は地方自治法により規定されていますが、そんな細かな話はどうでもいい。本質は給料が上がるのか、下がるのか、そして、派遣先での周りの職員からの接し方に違いが出てくるのかが実際に派遣される方が一番気になるところかと思います。私自身も出向前は色んなサイトを見ましたが、正直この辺りをしっかりと書いているサイトはなかったので、こちらで内部の実態を細かく発信していきます。

研修派遣

まずは、大体想像がつくと思いますが、研修派遣の形態で出向される方についてです。

こちらは見てわかる通り、研修生です。プロパー職員からすれば、外部からのお客さん。給料(残業代含む)等も出向元が支払いをしています。組織で一緒に働くことになるので、あくまで雑務中心のお手伝い(仕事を通じて学んでいってください)の扱いを受ける可能性が高く、重要な案件は任されない傾向にあります。給料は出向元がこれまで通り支払いしているので、下がる心配はありません。

割愛派遣

割愛ってなんぞやと思われるかと思います。要は退職金の支払いがされずに、出向元で退職し、中央省庁で採用される2年間の勤務が終了すれば、そこでの退職金も発生せずに、出向元に帰る派遣です。出向元を一度退職しますが、退職金の積み立ては元の会社で継続して働いているのと同様の扱いになるということです。

身分としては、派遣される省庁に採用され、国家公務員となります。

なにが言いたいかというと、内部の職員と同じ身分となるので、馬車馬のように働かされます…給料や残業代、その他諸手当や福利厚生など、すべてその組織からの支払いになります。

研修生のように、この組織で業務を通じて学んでいってくださいどころか、新卒上がりのプロパー職員の指導担当も任されたりしちゃいます。私の場合、あまりにも指導に熱が入りすぎて、「~さん、それ以上いうの抑えましょうか。やめちゃうんで。」とプロパーの先輩職員からストップがかかってしまいました…。今時の若い子はそうなんだ、と勉強になりました。

この派遣形態で懸念点は給料等に関することです。民間企業から出向される方は大変心苦しいですが、大幅な年収ダウンとなる方が大半かと思います。激務になるわ、年収下がるわでいいことは一つもありません。ただ、将来の出世が約束されてるので、2年は我慢しようということになります。民間企業によっては、文句を言えば、出向時の等級(役職)をあげてくれるケースもあるみたいです。私の隣に座っていた民間からの出向者は文句を言って等級をあげてくれたみたいです。あと、企業にもよると思うのですが、民間では出向元に戻る際に、2年間の年収が下がった分を補填してくれると言っていました。さすが、大手民間企業。公務員ではありえない話。

そして、地方公務員がこの形態で出向する場合、勤めている自治体によって年収が上がる人、下がる人が出てきます。私の場合は、全国でもトップクラスの給与の自治体に勤めていたため、年収ダウン、休暇付与日数ダウン、福利厚生も手厚さダウン…そして出向元に帰任する際には補填なしとなりました。将来ステップアップのための勉強と思いながら働いていたので、いい勉強になったかと思います。希望しても行けるような職場ではないので、勉強代と思って2年間頑張りました。

帰任報告の義務はなく、出向元への報告は任意でした。

派遣

こちらは出向元に身分を残したまま、中央省庁に派遣される形態です。

給料は出向元で支払いがされるので、下がる心配はありません。むしろ激務であり、残業の上限がなくなるので、年収大幅アップが見込めます。

扱いとしてもお客さん扱いはなく、一般職員として業務を任されるかと思います。

身分は出向元にあるので、大半の方が、月に一度程度で業務報告をする必要があるようです。あくまで人事交流としての派遣なので、出向先ではどんな業務をしているか、職場環境はどうかなど出向元に報告する職員がたくさんいました。

出向者の会

実際に出向される方は、ぜひ、出向者の会に参加されるといいと思います。民間企業、自治体等さまざまな方が所属しており、飲みの場で、出向元とのギャップや、国家公務員の謎やら無駄な業務の話などなど、盛り上がりがすごい会となっていました。

激務かつ精神的にダメージもかなり大きいかと思いますが、2年と期間は決められているので、なんとか踏ん張っていきましょう!任期満了になるのは本当にあっという間です。それでは今回はこの辺で。

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この記事を書いた人

大学卒業後、大手金融機関で法人営業として勤務
市役所に転職し、中央省庁への出向を経験
市役所人事担当として従事し、その後独立
現在はキャリアコンサルタントとして企業研修等を実施
専門は意識改革、組織改革、個別のキャリアデザイン相談

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