全国の公務員の皆さん、人事評価の時期がやってきました。今年も開示請求しますか?
元国家公務員として勤務、地方公務員の人事担当をしていましたSです。出世コースに乗っていた私の人事評価は入庁後すべて「b」です。キャリア官僚以外の公務員の方で、評価のSやAを目指そうとしている方、出世するための方法を教えます。
役所における花形部署に新人で配属。事業チームで3年まちづくりの業務に従事。
約半年間、コロナが流行っていた時期でもあり、応援として兼務。
役所の代表として中央省庁へ出向。中央省庁では国際担当。
採用、異動、評価を担当。その後、役所を退職し、独立。
この記事はこんな方におすすめ
- 地方公務員の方で出世したい方
- 人事評価で「B」以外取っている人がいるのか気になる方
- 役所における本当の人事評価を知りたい方
役所で出世するには?
数々の元公務員ブロガーの方で、人事評価のSやAの取り方を書かれている方がいらっしゃいます。今この記事を見られている方は、何が目的で人事評価を気にされていますか?自分以外にSやAを取っている方がいるのか、出世するために高評価を取るためにはどうすればいいのか、などなど気になる部分が多々あるかと思います。当ブログの結論を先にお伝えします。
キャリア官僚以外の公務員の方で「S」や「A」の評価は出世に関係ありません
この人事評価基準は何?自分が働いている市町村でも関係ない?と疑問に持たれるかと思います。
人事評価(内閣官房)
上記内閣官房出典により人事評価の方法等が決められています。令和4年に評価基準が新しくなりました。
はっきり言います。この基準は国家総合職の方向けです。全国で働いている地方公務員の皆さんには関係ございません。本省課長級って書いてます。
では県庁、市町村で勤務されている皆さんの人事評価はどうでしょうか。この国の基準をベースに人事評価は作られますが、あってないようなものです。役人である以上、人事評価基準の文書は対外説明、議会説明するために作らないといけないから作っているんです。
人事評価で「B」しか取れない理由
上記項目では国や組織として働く以上は基準を設けないといけないと解説しました。
ではあなたの現在所属している部署での役職は何ですか?
役職によって人事評価の1次評価者、2次評価者、調整者が変わってきます。
国家公務員の係長以下であれば、1次評価者は総括補佐、2次評価者は課長、調整で局長になるかと思います。
地方公務員の方、主査以下であれば、1次評価者は係長、2次評価者課長、調整で部長になります。
Bしか取れない理由を下記に書きます。
上に書いている評価者は人事評価のプロですか?素人です。
組織の規模によって、係長以上の職員は相当な数がいます。人事評価を行うのは、評価のプロの人事課が行うのではなく、各所属の係長以上が行います。そんな素人の方が好き勝手S、Aをつけられるか?公務員の性格は保守的で、攻めや炎上を避ける傾向があります。波風立てたくないんですよ。S、Aをつけると2次評価者や調整者から呼び出されます。結果、全員Bとなります。
それに対し、民間企業と公務員の人事評価の違いは一目瞭然なんです。
民間企業は利益を上げないと潰れます。評価は数字がすべて。民間企業の目標は数字ベースで策定されています。
例えば、年商1億円の会社で自分ひとりで5千万売り上げたとしましょう。評価はSですよ。公務員と民間では基準も考え方も違います。そもそも比べるべきものではありません。
では、公務員の評価目標はなんですか?市民サービスの向上、CS向上!!
この漠然とした目標。疑問に思いませんか?KPI指数どう策定する?アンケートでも取る?何を持って向上?
目標策定は部署によって様々。業務効率化に努める、とか何?って感じですよね。
話が逸れましたが、そんな公務員の人事評価として「B」ばかりのなか、ごく一部に「A」がいます。私が働いていた組織において、残念ながら「S」を取っている人は一人もいませんでした。ただ「A」がついているからその人の評価が本当に高いのかというと、人事課としてはあくまで参考程度にしかしません。「A」だから出世するとは限りません。理由は下記のとおりです。
所属によって忙しさもバラバラ、仕事の難しさもバラバラ。評価者によって基準があいまいだから。
役所の採用担当が口をそろえていう言葉、ご存じですか?
異動すると転職したように仕事を1から覚える必要がある。です。
部署によって仕事が全然違うのに、評価基準だけ一緒というのがそもそも間違っているんですよ。つまり、その評価基準はないのと等しい。暇な部署で、仕事かなり回していますといった感じで「A」が付いたところで、人事評価担当がそれを見て、「あ~、この部署で、この人がつけたのか」となるだけです。
人事課は所属の忙しさや、誰がバリバリ仕事を回してるのかなど、当然知っています。
役所における出世コース、財政課、人事課、政策企画課で「A」が付いた場合は評価に値します。なぜなら、出世コースの管理職はその組織におけるエリートが集まっているからです。当然仕事の基準も高ければ、意識も高いので、相当やり手ではない限り「A」が付くことはありませんので、そんな環境で「A」が付けば、人事課としてはその人は評価することになります(そもそも出世部署に配属する人の評価は高い人です)。
役所における本当の人事評価
では全員が人事評価「B」の中、どのように昇任や出世が決まっていくのか。
地方公務員においては3級(主査)までは在籍年数です。
頑張ろうが、頑張らまいが昇給も昇任も一緒です。ボーナスもほぼ変わりません。やる気ある若者が、入庁して10年そこそこで、この評価の現状や昇給、昇任に対して頑張っても一緒なら頑張らなくてもいいというマインドに変わってしまいます。そして、何も変わらない現状維持、新しいこともやりたがらない組織が生まれます。
では係長以上~局長までどのように評価が決まるのか。
人事ヒアリングにおいてヘッドハンティングの打診に名前が挙がる人
評価の高い人はこれに尽きると思います。人事評価は参考でしかありません。
できる人は、本当にこの話が良く来ます。うちの部署に~さんを入れてほしい。
評価の高い人の特徴を、はっきり言いますね。噂になります。
「めちゃめちゃできるらしい」「うちに来てほしい」と。その結果、ヒアリングの場で、その人の引き抜きの話になります。自ずと責任の重いポジション、管理職の席での引き抜きとなることから、その人が出世するという構図になります。
人事評価の本質は所属ではなく、所属外の人に評価されることですよ。
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