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中央省庁への人事異動が決まった方へ

大手金融機関、メーカー、商社、システム関係、鉄道、IT、弁護士事務所、そして、本省研修の時期がやってきた地方局勤務の国家公務員の若手職員、役所内で将来の出世が約束された地方公務員の皆さん、中央省庁への人事異動おめでとうございます。

私も地方公務員(市役所職員)ではありましたが、中央省庁へ2年間の割愛派遣を経験しました。

上記の方々は私が2年間の出向期間中に全国各地、様々な企業等から出向に来られ、お世話になった方々です。

中央省庁へ2年間出向した私の経験を基に、出向先の中央省庁ではどのような業務をすることになるのか、出向者の扱いはどうなるのか、ブラック霞が関で疲弊したエピソード等を実体験を基に記事にまとめていこうと思います。本記事ではあくまで出向が決まった方への記事となります。実際の細かい内容等は別記事にて配信をいたします。

目次

中央省庁への出向はその企業における出世コース

日本の中枢を担う中央省庁への出向は、その企業において評価の高い人や優秀な人が選ばれます

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出向者はその企業の代表といっても過言ではありません。官民交流、人事交流する上で、その組織の優秀な人をそれぞれに派遣するのは組織として当然のことです。

出世コースと言われる理由

理由は単純明快です。その企業や組織において出向を決定する時点で評価の高い人、優秀な人が選ばれるからです。そして、2年間の出向を無事に終えて、出向元に戻ってきた方が、現場で作業を行うなどの部署に、人事担当が配属するはずがありません。

中央省庁は世間でも組織や会社においても激務な組織として認識されています。そんな激務を耐えしのいできた優秀な人材は、帰ってきたらその組織においても経営企画部や本部など中枢の部署に配属されます。つまり、その組織において将来出世するコースの部署に配属されるということです。

2年の出向を終えた後の配属先ケース

出向が決まった皆さん、そして出向中の皆さんに嬉しいのか、悲しいのかお知らせです。

霞が関での2年間だけが激務というのは、考えが甘いです。出向はあくまで激務の始まりであって、本当の激務は皆さんが出向元に戻ってからです。もちろん、出世が約束されています。昇任や昇格、昇給など嬉しいイベントが多々待っていますが、その分責任と仕事が増えます。下記は当時私がお世話になった方たちが出向元に戻り配属されていた部署等です。

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配属部署特徴

経営企画部
企業の経営戦略を担う
役員等との調整を担当、企業の将来を担う

人事部
上記経営戦略と密接な関係
企業の顔となり、採用担当によって会社の未来が変わる!?

企画・政策
組織における、企画や政策など花形業務を担当
政策や企画次第で売上や企業イメージなども変わってくる!?

営業本部
大企業等、取引先との売上や利益はけた違いな先を担当
担当者次第で、会社の数字に重大な影響を与える

上記をぱっと見てもらえばわかる通り、本部への配属となるケースが多い。

中央省庁での配属先はどんなところになるか?

出向が決定した際には組織によって希望することが可能。ただし、出向元業務との繋がりがない部署が多々。

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出向元との癒着が疑われないように、基本的には関係ない部署への配属となる。つまり、下記見出しはもはや見なくても薄々理由を感じていただけるだろう。

ほとんどの方が業務と関係のない部署へ

民間企業で勤務の方、弁護士事務所で働かれている方、自分の領域の部署に行くと思いませんか?

結論、これまで行っていた業務とは全然関係ない部署へと配属されると思います。

なぜそうなるか、上記つぶやきでも記載した通り、政府と民間企業の癒着が疑われるようなことは公務員は行いません。そうなると、出向元と関わりがないような部署、つまり全然関係ない部署への配属になるとともに、1から業務を覚える必要が出てくるということになります。

ただ、地方公務員の方は違います。同じ公務員となるので、関係性のある部署への配属はあり得ます。

これまでのスキル、経験は役に立つか

断言しましょう。霞が関においてこれまでの経験は役立ちません。

なぜなら、あなたは新たな転職先での1年目職員です。システムや仕事のやり方、使っている用語など全てが違います。民間企業で勤務されている方については採算重視の考え方と、法律を基に業務を行っている公務員とでは考え方が全く違います。

そして、出向元に帰って、霞が関で得たスキルが役立つのか…役立ちません(笑)

スキルというのは漠然としているので、例をあげてみます。2年で劇的にスキルアップするのかと言われると、しません。成長する点でいうと、長時間の激務に耐える耐性ができる、根回しのスキルなどなどです。見てわかる通り、別に霞が関で経験しなくても、ブラック企業で働けばこのような経験はできると思います。省庁でしか経験できないことならば、官僚の考え方、仕事の進め方は一緒に働くことで、学ぶことができることだと思います。

なぜ出世させる職員をわざわざ出向させるのか

これは出向経験をした後、出向元で人事担当として働き、気づいたことなのであくまで私の持論です。

省庁へのキャリアは泊が付くとともに、官僚の考えや仕事のやり方を学ばすため

これに尽きると思います。

よくこのような話を聞きます。出向してそこのポジションで人脈を作り、出向元に帰った後に、人脈を生かした仕事を行うため…

これは完全に間違っています。国家公務員の人事異動は2年に1度。キャリア官僚にいたっては早い人は3か月に1度異動があります。出向元に帰って2年もすれば、自分が働いていた職場の人が全員変わっているなんてよくあることです。もはや人脈などあってないものと等しい。つながりという観点であるとすれば、東京に遊びに行ったときに、飲みに行き、当時の激務を思い出すかのような話題で盛り上がる程度かと思います(そもそも関係のある部署に配属されません)。

霞が関は忙しいのか?

結論:部署によって忙しさはまちまち、全体的に忙しいと言える

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公務員あるあるですが、配属部署によって残業の有無や忙しさは全然違います。法改定を行う部署にあたれば、残念ながらタクシー帰り、朝帰りは多々。国際関係の部署では、業務で様々な国に行けるメリットもあるが、時差を考えての仕事となるため、担当エリアによっては残業多々になることも。

職場の構成

さて、職場における身分の構成をこちらにまとめたいと思います。配属される部署によって変動あるかと思いますが、大方この構成かなと思います。

キャリア官僚(国家総合職)1割

バリバリ働くキャリア官僚。その部署における方針や全体の指揮取りを任される。課長補佐以下は実質実務担当。

プロパー官僚(国家一般職)4割

プロパーとして省庁内で様々な部署を経験する。人事異動のスパンも比較的早く、異動先では、出向者に業務を教わることも多々ある。

出向者(地方局、民間企業、地方公務員)4割

実務の主担当として業務を回している。雑用~重要案件まで幅広く担当する。出向者がいないともはや回っていない部署もあったりする。

会計年度任用職員(アルバイト)1割

電話対応や会議室の予約、コーヒーを入れてくれたりするアルバイトの方。難しい仕事はNG。

これを見てちょっとおかしいと思った方、実態はこの程度の割合が多くなっています。つまり、中央省庁は出向者が多数を占めているということになります。

私も実際に経験しましたが、内部の人は本当に異動スパンが早い。つまり、出向者の私が2年目になった時には、外部から来た私が組織のその部署において、一番業務に詳しい人になっていたりします。プロパーの方は私に、この業務どうでしたっけ?…どのように対応していますか?など数々聞かれたのが印象強く残っています。

2年目の1年間は私にとってフィーバータイムとなりました(笑)

忙しい本当の理由

上記で職員の構成を見ていただいた上、この体制で膨大な業務にあたることになります。

そして、ここには育児休業等(私療休暇含む)で休職している方が人員カウントとして含まれているということです。民間企業と違い、公務員には定員管理というのがあります。簡単に言えば、税金で仕事をしている以上、好き勝手に正規職員の配置や数を増やしたりできないということです。

民間企業なら育休に入る人がいれば、その人の代わりに正規職員異動させて終了となるところを、公務員は違います。穴が開いた状態で戦う必要があります。

そして、これまでの項目でも触れてきましたが、業務は激務です。精神的に病んでしまう人もいるのが現状です。ここで補足したいのは出向者が精神的に厳しいと判断された場合は、任期満了の前に、出向元へ返されるので、定員数が減るため、補充が可能となります。

それに対し、プロパー職員が私療休暇に入った場合、穴が開いたまま戦う必要が出てきます。このような理由によって霞が関の激務が生まれているわけです。

官僚の若手の離職が社会問題となっています。ニュースもよく見ると思います。

優秀な人材は、転籍や出向延長の声がかかる

管理職との面談で、「~さん、もう1年延長したいとか希望ある?」と普通に聞かれます

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割愛派遣の場合、出向元の身分を退職し、国家公務員採用となります。採用となってしまえば、そのあとは…!?

霞が関に骨をうずめるか

都市伝説なのかどうか、確かめてきました。

私が集めた情報として、試験を受けずして、中央省庁へ転籍できるかどうかは下記のとおりです。

地方局採用の人(国家公務員)→本人の希望次第では、本省への転籍が可能

民間等からの出向者(地方公務員含む)→試験を経ずに国家公務員への転籍の話はなさそうでした

ただし、希望次第では2年出向のところを延長したりしている人もいれば、私にも声が掛かりましたので、延長して勤務することは可能です。

実際に経験された方はほとんど同じ意見になるかと思いますが、延長の打診については即答で断りました(笑)

出向元で激務の道にいくのか

出向が内定した方はまずは2年間、頑張りましょう。

そして、もうすぐ任期が満了される方、大変お疲れさまでした。

やっと激務から解放される…と思われている方、そんな甘い話はございません。これからが本当の激務の始まりです。出向元で馬車馬のように働かないといけなくなります。楽な部署に配属なんてあり得ません。ただし、上述のとおり将来の幹部候補として約束されていますので、バリバリ働いていきましょう。

人生を決めよう

ここからは私の任期満了後のキャリアをご紹介した後、現在の仕事についてお話します。

任期満了後は出向元の人事担当として就職業務説明会やキャリア面談等を行ってきました。ただ、地方公務員というのは、その仕事をずっと続けることはできません。必ず定期的な人事異動があり、様々な分野の仕事に就くことになります。正直なところ、役所でのやってみたい仕事、部署には幸いなことに、すべてやらせてもらい、今後のキャリアプランを考えた際に、やりたくない仕事で収入を得るよりも、自分のやりたい仕事で収入を得たいと思い、独立を決心しました。

現在は、キャリアコンサルタントとして個人の就職支援、キャリア相談、そして企業に対するキャリア支援、キャリア研修を行っています。

私は大手銀行を退職した時点で、出世には関心がなくなりました。組織における派閥や出世よりも、自分のしたい仕事で生計を立てたいと目標に決めていたので、当然市役所職員時代においても、出世コースに乗ったからそこで仕事をするという発想は一切なかったです。

民間企業、国家公務員、地方公務員の仕事を経験した私だからこそできるキャリア支援があると思い独立を決心しました。本ブログ記事を通じて、それぞれの違いや苦労した話、ブラックだった面などを随時配信していきたいと思います。

また、企業における意識改革を図りたいと日々悩まれている企業の担当者様におかれましては、キャリアの観点から、職員、社員のキャリアデザインやモチベーションアップ等の研修を実施させていただきます。

就職支援、転職支援や各種イベントでの講演依頼につきましては、お問い合わせフォームよりご連絡いただけると嬉しく思います。

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この記事を書いた人

大学卒業後、大手金融機関で法人営業として勤務
市役所に転職し、中央省庁への出向を経験
市役所人事担当として従事し、その後独立
現在はキャリアコンサルタントとして企業研修等を実施
専門は意識改革、組織改革、個別のキャリアデザイン相談

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